高額AI研修より現場の10分|大手コンサル研修でも成果が出なかった企業で起きた改善事例

高額AI研修より現場の10分|大手コンサル研修でも成果が出なかった企業で起きた改善事例

生成AIの活用が話題になる中、「AI研修」を導入する企業も増えています。ところが実際には、数日間の研修を受けても現場で使われないまま終わるケースが少なくありません。

今回は、ある中小企業で実際に起きた出来事を紹介します。大手コンサル企業のAI研修を受けたにもかかわらず、ほとんど活用されていなかった会社で、現場の作業をたった数分で改善できた事例です。


数日かけた高額研修、それでも現場では使われない

この会社では、大手コンサル企業が提供する生成AI研修を導入していました。研修は数日間にわたり、費用は150万〜300万円ほど。助成金が使えるため「実質4割負担でできます」という説明に魅力を感じて導入を決めたそうです。

しかし、研修内容の多くはAIの理論や概念の説明でした。もちろん知識としては重要ですが、現場の社員からすると「具体的にどう使えばいいのか」が分からないまま終わってしまいます。

結果として、研修後も業務でAIを使う社員はほとんどいませんでした。忙しい日常業務の中では、研修で聞いた内容はすぐに忘れてしまうからです。

さらに、生成AIはツールや機能が日々変化しています。研修で学んだ内容が、数か月後には古くなってしまうことも珍しくありません。


現場の悩みを聞くと、問題はすぐ見えた

そんな中、あるスタッフから「この作業がとても面倒で時間がかかる」という相談を受けました。

話を聞くと、毎日の業務で同じような資料作成を繰り返しており、それがかなりの負担になっていました。そこで、その場でパソコンを見ながら生成AIを使った方法を説明しました。

操作は難しいものではありません。AIへの指示の出し方と、業務内容の整理の仕方を少し変えただけです。

説明自体は10分ほど。実際にそのスタッフのパソコンで操作しながら確認しても、トータル30分ほどで終わりました。

そのスタッフからは、「とっても面倒だった作業が一気に楽になりました」と驚いた様子で言われました。


生成AIは「実装」までやらないと意味がない

この出来事から改めて感じたのは、生成AIは知識として学ぶだけでは意味がないということです。

実際にパソコンやスマートフォンを触りながら、現場の業務に当てはめて試してみる。そこまでやって初めて、仕事の効率化につながります。

逆に言えば、どれだけ立派な研修でも、現場での実装まで行われなければ「聞いて終わり」で終わってしまいます。


AI活用で重要なのは「小さな成功体験」

生成AIの導入で大切なのは、大きなプロジェクトを始めることではありません。まずは一つの業務で「楽になった」という体験を作ることです。

一つ成功体験が生まれると、「他の業務でも使えるかもしれない」という発想が生まれます。そこから少しずつ活用が広がっていきます。

AIは難しい技術ではありません。日常の業務にどう組み込むかが、活用できるかどうかの分かれ道になります。


まとめ

高額な研修を受けても、現場で使われなければ意味がありません。生成AIを業務で活かすためには、実際の仕事に当てはめながら操作してみることが重要です。

AI活用の第一歩は、難しい理論ではなく、日々の業務の中で「一つ便利になった」と感じる体験を作ることです。そこから少しずつ活用が広がっていきます。

筆者プロフィール

泉 正道(Masamichi Izumi)
従業員100名以下の中小企業の伴走支援コンサルタント。C&Pいずみ社会保険労務士法人 代表。
採用定着士、特定社会保険労務士、生成AIアドバイザー。2025年現在、延べ100社以上の中小企業を支援。
採用・定着・労務に関する相談は累計2,000件超。

徹底的な伴走支援で、中小企業の採用定着を「仕組み化」する事を得意とする。
商工会、商工会議所、大手生命保険会社でのセミナー講師など、精力的に「事例」中心の情報発信をし続けている。

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