「3年後のナンバー2採用」とは?地方都市の50名以下企業が未来を支える人材確保戦略

「3年後のナンバー2採用」とは?地方都市の50名以下企業が未来を支える人材確保戦略

中小企業の経営者にとって、後継者や右腕となる「ナンバー2」の存在は、事業の継続と成長を左右する重要な鍵です。
特に地方都市の50名以下規模の企業では、経営者が現場の中心に立つことが多く、次世代のリーダー人材の育成や確保が後回しになりがちです。

そこで注目されているのが「3年後のナンバー2採用」という考え方です。 これは即戦力ではなく、3年後に経営の中核を担う人材を見据えて採用・育成する戦略的な採用手法です。


3年後のナンバー2採用の定義と背景

「3年後のナンバー2採用」とは、今すぐに経営を任せるのではなく、3年間の育成期間を経て経営者の片腕となる人材を採用する仕組みを指します。

多くの地方中小企業では、経営者の高齢化や後継者不足が深刻な課題となっており、事業承継のリスクを減らすためにも、計画的な人材育成が求められています。

社労士や採用定着士の現場でも、この3年スパンを意識した採用戦略は「人を活かす採用」の代表的な考え方として注目されています。


地方中小企業における課題と採用の現実

地方都市の中小企業では、人材の流出が大都市圏に集中する傾向があり、若手の採用が難しいという現実があります。
加えて、求人媒体で「経営幹部候補」「ナンバー2募集」と表現しても、応募者が少ないのが実情です。

そこで重要になるのが、「3年後に経営を担う存在へ育てていく」というメッセージの発信です。

すぐに結果を求めるのではなく、「共に未来をつくる」姿勢を示すことで、地域で働く意義に共感する人材を惹きつけることができます。


3年後のナンバー2採用の進め方

この採用では、最初から完璧な経営スキルを求める必要はありません。

むしろ、経営者の価値観や企業文化を理解し、共に課題を乗り越えられる「伸びしろのある人材」を採用することがポイントです。
採用段階では、経営理念への共感度や課題解決の思考力、リーダーシップの素質を重視し、入社後はOJTや経営会議への参加を通じて少しずつ判断力を磨かせます。

採用定着士や社労士の支援を受け、採用計画と育成プランをセットで設計することが効果的です。


育成期間の設計とフォロー体制

3年間という期間設定には理由があります。

1年目は業務理解と信頼関係の構築、2年目は小規模なプロジェクトのリーダー経験、3年目には経営者の右腕として意思決定に関与するステップを踏むことで、着実に成長を促せます。

また、社内コミュニケーションの仕組みづくりや評価制度の整備も欠かせません。特定社労士としては、育成段階での労務トラブルやミスマッチ防止の観点からも、就業規則や目標管理制度の整備を並行して行うことを推奨します。


ナンバー2人材を定着させるための環境づくり

せっかく採用した人材も、経営者との信頼関係が築けなければ早期離職に繋がります。特に中小企業では、経営者の意識変革が鍵となります。

「任せる覚悟」を持ち、失敗を許容する文化を育てることが、ナンバー2が育つ土壌をつくります。

また、業績だけでなくプロセスを評価する仕組みを導入し、経営に関する学びの機会を積極的に提供することも定着を後押しします。


まとめ:未来を見据えた採用が企業を強くする

「3年後のナンバー2採用」は、単なる採用手法ではなく、企業の未来を描く経営戦略の一部です。短期的な人材補充ではなく、3年後に会社の中心を担う存在を意図的に育てることで、
経営者自身の負担軽減と持続的な成長が実現します。

地方企業こそ、この長期視点の採用に取り組む価値があります。

筆者プロフィール

泉 正道(Masamichi Izumi)
従業員100名以下の中小企業の伴走支援コンサルタント。C&Pいずみ社会保険労務士法人 代表。
採用定着士、特定社会保険労務士、生成AIアドバイザー。2025年現在、延べ100社以上の中小企業を支援。
採用・定着・労務に関する相談は累計2,000件超。

徹底的な伴走支援で、中小企業の採用定着を「仕組み化」する事を得意とする。
商工会、商工会議所、大手生命保険会社でのセミナー講師など、精力的に「事例」中心の情報発信をし続けている。

姫路播州採用定着研究所
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