採用定着には「地方都市ならではの採用ペルソナ設定」が必要ですか?

採用定着には「地方都市ならではの採用ペルソナ設定」が必要ですか?

人手不足が続く中小企業では、「採用してもすぐ辞めてしまう」「良い人が応募してこない」といった悩みが絶えません。

特に地方都市では、人口減少や若者の流出、通勤圏の広さなど、都市部とは異なる事情が採用活動に影響します。そのため「地方ならではの採用ペルソナを設定すべきか?」という疑問を持つ経営者や採用担当者は少なくありません。

この記事では、地方採用におけるペルソナ設定の考え方と、採用定着につなげるための実践ポイントを解説します。

結論:地方企業ほど「地域特性を踏まえた採用ペルソナ設定」が重要

結論から言えば、地方都市で採用定着を目指すなら、地域特性を踏まえたペルソナ設定は不可欠です。

大都市圏と同じ感覚で求人を作成すると、求職者の価値観や生活背景とずれが生じ、「入社したけれど思っていた職場と違った」と早期離職につながるケースが多いのです。

地域ごとの人口構成、通勤距離、生活スタイル、家族との関係性などを考慮し、リアルな人物像を描くことが、応募・採用・定着のすべてに効果を発揮します。

地方特性を踏まえたペルソナ設定のポイント

地方では「仕事」だけでなく「暮らし」や「地域との関わり」が意思決定に大きく影響します。

例えば、地方では通勤距離が採用に直結するケースが多く、片道30分を超えると応募率が下がる傾向があります。

また、子育て世代が多い地域では「勤務時間の柔軟性」や「家庭との両立支援」が重視されます。

具体的な設定の手順としては、次の3つの観点を意識すると良いでしょう。

  • 1. 人口・通勤圏の把握:応募可能エリアの地理的条件を分析。
  • 2. 地域の価値観・ライフスタイル:地元志向、安定志向、家族重視などの傾向を把握。
  • 3. 職場との相性を考慮:地域の人材が「どんな環境なら続けやすいか」を現場目線で整理。


これらを基に「この地域に住み、この会社で働く姿」をリアルに想像できるペルソナを作成することが大切です。


よくある誤解:「都会と同じ採用戦略でも通用する」

地方の採用でよくある誤解が、「求人票を少しアレンジすれば都市部のやり方でも通用する」という考え方です。

実際には、地方の求職者は「待遇」よりも「人間関係」や「働きやすさ」「地域貢献」など、非金銭的な価値を重視する傾向があります。

また、「若手を採りたい」と思っても、地域によっては20代の人口が少なく、実際に採用すべき層は30〜40代のUターン・Iターン希望者であることも珍しくありません。

採用戦略を成功させるためには、まず「地域の現実」を直視することが第一歩です。


実務での注意点:理想像ではなく「実際に続いている社員」から学ぶ

ペルソナ設定で失敗しやすいのは、「理想の人材像」ばかりを追いかけてしまうことです。

地方採用では、まず自社で定着している社員の共通点を洗い出すことが有効です。

たとえば、「家が近く」「家庭を持ち」「地域活動にも参加している社員」が長く働いているなら、その要素をペルソナに反映します。

実在の人物をもとに設定することで、応募段階からミスマッチを防ぎやすくなります。

また、求人票に「地元出身の社員が多い」「子育て世代が活躍中」などと具体的に記載すると、
応募者に安心感を与えやすくなります。


士業・専門家の支援:採用ペルソナ設計から求人原稿まで伴走支援が可能

採用ペルソナの設定は、単なるマーケティング作業ではなく、経営方針や人材育成方針とも深く関わります。

そのため、社労士や採用定着士などの専門家が関わることで、より現実的で効果的な設計が可能になります。

専門家は、従業員インタビューや地域データの分析を通じて「自社に合う人材像」を言語化し、求人原稿や採用サイトの内容に反映させます。

さらに、採用後のフォロー体制づくり(オンボーディングや定着面談)までサポートすることで、採用から定着まで一貫した戦略を構築できます。


まとめ:地方だからこそ、「地域に根ざした人材戦略」を

地方都市の採用は、人口構造や価値観の違いを無視しては成功しません。

ペルソナ設定を通じて、「どんな人が自社で活躍できるのか」「その人はどんな暮らしを望むのか」を明確にすることが、結果的に採用定着の近道になります。


筆者プロフィール

泉 正道(Masamichi Izumi)
従業員100名以下の中小企業の伴走支援コンサルタント。C&Pいずみ社会保険労務士法人 代表。
採用定着士、特定社会保険労務士、生成AIアドバイザー。2025年現在、延べ100社以上の中小企業を支援。
採用・定着・労務に関する相談は累計2,000件超。

徹底的な伴走支援で、中小企業の採用定着を「仕組み化」する事を得意とする。
商工会、商工会議所、大手生命保険会社でのセミナー講師など、精力的に「事例」中心の情報発信をし続けている。

姫路播州採用定着研究所
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