2026年を迎え、採用市場はさらに厳しさを増しています。
「求人を出しても反応がない」
「やっと採用しても、すぐに辞めてしまう」
こうした声は、もはや珍しいものではありません。
この状況は、一時的な不況や景気変動の話ではなく、
構造的な人手不足が原因です。
そしてこの流れは、今後も簡単には変わりません。
だからこそ今、
採用に対する考え方そのものを変えられるかどうかが、
企業の生き残りを左右します。
目次
1. 2026年の採用市場は「圧倒的な人手不足」が前提
少子高齢化、都市部への人口集中、働き方の多様化。
これらが重なり、地方の採用市場は完全に「売り手市場」です。
重要なのは、
「頑張れば何とかなる」段階は、すでに終わっている
という現実を受け入れることです。
人が足りないのは、
会社の知名度が低いからでも、
求人広告が弱いからでもありません。
そもそも、働き手の総数が足りないのです。
2. 採用は「出してから考える」では間に合わない
これからの採用で致命的なのは、
「人が辞めてから、慌てて募集を出す」
という姿勢です。
厳しい市場では、
準備をしていない会社から順番に脱落します。
必要なのは、
- どんな人が必要なのか
- その人に何を期待するのか
- なぜ自社で働く意味があるのか
を、事前に言語化しておくことです。
採用は「戦術」ではなく、
準備が9割です。
3. やれることは全部やる。一本足打法はもう通用しない
2026年の採用で危険なのは、
一つの手法に依存することです。
求人広告だけ、
人材紹介会社だけ、
SNSだけ。
どれも、単体では限界があります。
これから必要なのは、
- オウンドメディアリクルーティング
- SNSでの継続的な発信
- 従業員からのリファラル採用
といった複数チャネルの組み合わせです。
特に、オウンドメディアを中心に据えることで、
- 自社の考え方
- 仕事のリアル
- 合う人・合わない人
を事前に伝えられるようになります。
4. 勝つのは「従業員がクチコミしたくなる会社」
求人広告よりも、
紹介会社よりも、
これから強くなるのが人の紹介です。
ただし、
「紹介してくれ」と頼んで増えるものではありません。
本当に強いのは、
従業員が、家族や友人に自然と話したくなる会社
です。
・働き方に納得感がある
・会社の方向性が分かりやすい
・社長や上司の顔が見える
こうした要素が揃っている会社だけが、
リファラル採用を武器にできます。
5. 社長が「採用に向き合う覚悟」があるか
これからの採用は、
人事任せ、総務任せでは成立しません。
なぜなら、
求職者が知りたいのは、
- この会社はどこへ向かうのか
- どんな価値観で経営しているのか
だからです。
つまり、
社長自身が、採用に時間と情熱をかけられるか
が、はっきり問われます。
採用は、
経営の一部ではなく、
経営そのものになりつつあります。
6. 外国人雇用は「万能な解決策」ではない
人手不足対策として、
外国人雇用に注目する会社も増えています。
確かに、選択肢の一つではありますが、
- 言語の壁
- 文化の違い
- 教育・フォロー体制
を軽視すると、
かえって現場が疲弊します。
外国人雇用は、
「人が足りないから入れる」ではなく
「受け入れる準備があるか」
が成否を分けます。
7. 生成AIでホワイトカラーの仕事はなくなるのか?
「生成AIで仕事が減る」
という話題も、よく聞かれるようになりました。
ただ、現実を見ると、
少なくとも今すぐ、大量の離職が起きる可能性は低い
と言えます。
理由は単純で、
日本企業の生成AI活用は、
まだほとんど進んでいないからです。
当面は、
- 人が減る
- 仕事が消える
というより、
「AIを使える人と、使えない人の差が広がる」
という形で影響が出るでしょう。
まとめ:2026年の採用は「覚悟と設計」で決まる
2026年の採用市場で生き残る企業には、共通点があります。
- 人手不足を前提にしている
- 事前準備に時間をかけている
- 採用手法を分散させている
- 社長が本気で関わっている
採用は、
偶然うまくいく時代ではありません。
覚悟を決めて、時間と情熱を投下した会社だけが、選ばれる
2026年は、
その差が一気に表に出る年になります。
生き残るか、
採用で詰むか。
その分かれ道は、
もう目の前にあります。
筆者プロフィール
泉 正道(いずみまさみち)|特定社会保険労務士/採用定着士/生成AIアドバイザー
姫路を拠点に中小企業延べ150社以上へ伴走。採用・定着・労務の相談累計3,000件超(2026年6月現在)。北は福島、南は佐賀まで顧問先があり、全国オンライン対応。
「採用より定着が先」——これが口癖であり、信念。耳が痛くても言い続ける。親に与えてもらった環境や収入を「全て自分の力」と誤解する2代目社長に説教して解約された経験あり。それでも伝え続けるのが私の役目。
支援の軸は制度(ハード)と対話(ソフト)の両輪。就業規則や評価制度を整えるだけでも、研修や面談を繰り返すだけでも、人の問題は解決しない。両方が噛み合って初めて、人が辞めない組織が動き出す。伴走とダメ出しができる社労士。
生成AI支援では「研修を受けた企業の9割が1ヶ月後に何もしていない」という現実に向き合い、経営者のPCを直接触り、当日に課題を解決する「実装型」の伴走を展開。商工会・商工会議所・大手生命保険会社でのセミナー講師としても精力的に活動中。

