営業資料づくりにAIを使うとスピードは大きく上がりますが、「機密情報が漏れないか?」という不安は避けられません。
実際、設定や使い方を誤ると情報が残る可能性があります。
ただ、基本の対策を理解して使えば、通常の業務と同じレベルで安全に利用できます。
目次
結論:適切な設定+情報の扱い方を徹底すれば、社内データは安全に活用できる
AIは“危険”というより「正しく設定しないと危険」という性質があります。
まずはツール側の設定を安全モードにし、入力する情報の扱い方を変えることが重要です。
ChatGPTで必ず設定しておきたい項目
1. 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフ
・入力内容が学習に使われなくなる。
・モデル改善のためにデータが残らないので、最優先で設定すべきポイント。
2. 「一時チャット(Temporary Chat)」をオン
・会話履歴が保存されない。
・学習にも使われない。
・チャット終了後に情報が消えるため、資料のたたき台づくりに最適。
3. チーム/ビジネスプランの確認
・これらはデフォルトで「学習に利用されない」仕様。
・ただし、組織管理者がどう設定しているかは確認しておくと安心。
Googleワークスペース+Gemini有料が安全といわれる理由
- ワークスペース全体でアクセス権限が統一管理されている
- 利用ログやデータ保護設定を管理者が一元管理できる
- 企業向けのセキュリティ仕様が標準で組み込まれている
つまり、Googleの既存のセキュリティレイヤー上でAIを動かす形になるため、
外部サービスにデータを預けるより安全性が高いと考えられています。
よくある誤解:安全設定だけすれば「何でも入れていい」は間違い
設定を整えても、次の情報は極力入力しないほうが良いです。
- 個人情報(氏名・住所・メールなど)
- 顧客が特定できる情報
- 未発表の新商品・価格
- 社内トラブルや社外秘資料そのもの
AIは便利でも「絶対に漏れない仕組み」はどこにもありません。
ただし、これはメール・クラウド・チャットツールでも同じです。
“リスクゼロ”を求めるとメールすら送れないという現実を理解した上で使うことが大切です。
実務での安全な使い方(ここが一番大事)
1. 固有名詞を抽象化して入力する
・株式会社イズミ → A社
・泉正道社長 → X社長
2. 資料そのものをコピペしない
全文を貼るのではなく、要点だけを入力する。
3. AIに渡すのは「構成案・書き方・表現」
数字や機密部分は、後から手元で埋める。
4. やり取りが終わったら履歴を消す
一時チャットを使えば自動消去されるため安心。
この「抽象化して渡す → こちらで具体化する」流れが、最も安全な使い方です。
まとめ
・ChatGPTは「モデル改善オフ」「一時チャット」でデータ保護が強化できる
・Googleワークスペース+Gemini有料は企業向けのセキュリティが非常に強い
・情報は“ぼかして”“抽象化して”入力する
・インターネット利用でリスクゼロは不可能(メールも同じ)
・だからこそ、設定と使い方を理解すれば安全に業務へ活用できる
この基本を押さえておけば、営業資料作成にAIを使う際の不安はかなり減り、
実務でも迷わなくなります。
筆者プロフィール
泉 正道(いずみまさみち)|特定社会保険労務士/採用定着士/生成AIアドバイザー
姫路を拠点に中小企業延べ150社以上へ伴走。採用・定着・労務の相談累計3,000件超(2026年6月現在)。北は福島、南は佐賀まで顧問先があり、全国オンライン対応。
「採用より定着が先」——これが口癖であり、信念。耳が痛くても言い続ける。親に与えてもらった環境や収入を「全て自分の力」と誤解する2代目社長に説教して解約された経験あり。それでも伝え続けるのが私の役目。
支援の軸は制度(ハード)と対話(ソフト)の両輪。就業規則や評価制度を整えるだけでも、研修や面談を繰り返すだけでも、人の問題は解決しない。両方が噛み合って初めて、人が辞めない組織が動き出す。伴走とダメ出しができる社労士。
生成AI支援では「研修を受けた企業の9割が1ヶ月後に何もしていない」という現実に向き合い、経営者のPCを直接触り、当日に課題を解決する「実装型」の伴走を展開。商工会・商工会議所・大手生命保険会社でのセミナー講師としても精力的に活動中。

