求人原稿に「Why(なぜ働くのか)」を書くと、なぜ定着につながるのですか?

求人原稿に「Why(なぜ働くのか)」を書くと、なぜ定着につながるのですか?

求人原稿を書くとき、多くの会社は「仕事内容」「給与」「勤務時間」といった条件を中心に書きます。もちろんこれらは重要ですが、それだけでは入社後のミスマッチが起きやすくなります。

最近、採用の現場で注目されているのが、「Why(なぜこの仕事をするのか)」という視点です。では、このWhyを書くことが、なぜ定着につながるのでしょうか。


結論:Whyを書くと「条件で選ぶ応募」から「価値観で選ぶ応募」に変わる

結論から言うと、Whyを書くことで応募の動機が変わります。給与や休日だけで応募する人は、「もっと条件が良い会社」が見つかれば離職しやすくなります。

一方で、

  • この会社が何を大事にしているのか
  • この仕事は何のためにあるのか
  • 社会や顧客にどんな価値を提供しているのか

といったWhyに共感して応募した人は、入社後も「この仕事の意味」を理解した状態で働くため、定着しやすくなります。


なぜ条件だけの求人はミスマッチが起きやすいのか

条件中心の求人は、一見すると応募が増えやすいように見えます。しかし実際には、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 仕事内容のイメージが浅い
  • 会社の考え方が分からない
  • 入社後に「思っていたのと違う」と感じる

特に小さな組織では、一人ひとりの役割が広く、働き方も柔軟です。そのため、どんな考え方の会社なのかが伝わらないと、入社後のギャップが大きくなりやすくなります。


Whyを書くと「仕事の意味」が伝わる

Whyを書くというのは、理念をきれいな言葉で並べることではありません。

例えば、次のようなことです。

  • なぜこの仕事を続けているのか
  • なぜこの地域で事業をしているのか
  • お客さんからどんなことで感謝されるのか
  • この仕事が社会のどこに役立っているのか

こうした背景を伝えると、求職者は

「この仕事は自分に合いそうか」
「この考え方の会社で働けるか」

を判断しやすくなります。

結果として、合う人が応募しやすくなり、合わない人は応募しなくなります


よくある誤解:Whyを書くと応募が減るのでは?

「会社の考え方を書くと、応募が減るのでは?」と心配する声もあります。おっしゃる通り。誰にでも当てはまる内容よりも、応募数は少し減ることがあります。

しかし、その代わりに起きるのは次の変化です。

  • 会社の考え方に共感した応募が増える
  • 面接で話が通じやすくなる
  • 入社後のギャップが減る

つまり、応募数が仮に減っても応募の質が高まるという変化が起きます。


小さな会社ほどWhyが重要になる理由

大企業の場合、ブランドや待遇が応募理由になることがあります。しかし、小さな組織ではそれだけで人を集めるのは難しいのが現実です。

その代わりに重要になるのが、

  • どんな価値観の会社なのか
  • どんな仕事の意味があるのか
  • どんな人が合うのか

という部分です。

ここが伝わると、求職者は条件比較ではなく「自分に合うかどうか」で判断するようになります。


まとめ:Whyを書くと「共感で応募する人」が増える

求人原稿にWhyを書くことで、

  • 仕事の意味
  • 会社の考え方
  • 大切にしている価値観

が伝わります。

その結果、条件だけで応募する人ではなく、「この会社で働く意味」を理解した人が応募しやすくなります。

採用は、人数を集めることが目的ではありません。

「どこでもいいから働きたい人」10人の応募を集めるのか?
「この人しかいない!」という1人からの応募を集めるのか?

私は後者だと思いますが、あなたはどうでしょうか?

Whyを書くことは、そのための最もシンプルで効果的な方法の一つです。

筆者プロフィール

泉 正道(Masamichi Izumi)
従業員100名以下の中小企業の伴走支援コンサルタント。C&Pいずみ社会保険労務士法人 代表。
採用定着士、特定社会保険労務士、生成AIアドバイザー。2025年現在、延べ100社以上の中小企業を支援。
採用・定着・労務に関する相談は累計2,000件超。

徹底的な伴走支援で、中小企業の採用定着を「仕組み化」する事を得意とする。
商工会、商工会議所、大手生命保険会社でのセミナー講師など、精力的に「事例」中心の情報発信をし続けている。

姫路播州採用定着研究所
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