社員のギャンブル問題、姫路の中小企業はどこまで関与していいのか

社員のギャンブル問題、姫路の中小企業はどこまで関与していいのか



少し前に、こういうニュースが話題になりました。
ギャンブル依存症による借金の平均額が1000万円を超え、しかも依存する年齢層が若くなっているという調査結果です。

「それは本人の問題でしょ」と思う経営者の方が多いと思います。
でも、現場を見ている立場からすると、これは姫路の会社の問題でもあります。


目次

  1. なぜ会社の問題になるのか
  2. 会社がやってはいけないこと、できること
  3. 横領・不正が発覚したときの対応
  4. 早期発見のために——日常の対話が防波堤になる
  5. よくある質問
  6. まとめ

なぜ会社の問題になるのか

社員がギャンブル依存症になると、職場でこういったことが起き始めます。

  • 遅刻・欠勤が増える
  • 業務中のミスが目立つようになる
  • お金に困って同僚や取引先から借りるようになる
  • 最悪のケースでは、会社のお金に手をつける(横領)

実際に、私が関わった事例でも、「突然お金が合わなくなった」「経費精算に不審な点がある」という相談が、後にギャンブル依存症が原因だったとわかったケースがあります。

本人が悪いのは当然です。ただ、「気づくのが遅かった」「止める仕組みがなかった」という会社側の問題もあります。


会社がやってはいけないこと、できること

まず正直に言うと、ギャンブル依存症は「意志の問題」ではなく「病気」です。本人を叱責するだけでは解決しません。
ただ、だからといって会社が何もしなくていいわけでもない。

会社がやってはいけないこと

  • 本人を呼び出して「やめろ」と一方的に叱責する(解決しないどころか関係が悪化)
  • 「借金があるらしい」という噂をもとに周囲に問い合わせる(プライバシー侵害のリスク)
  • 「もう信用できない」と即座に解雇する(依存症は疾病であり、解雇が無効になるケースがある)

会社ができること

まずは「気づく」こと。
遅刻・欠勤・ミスの増加など、行動の変化を早期にキャッチすること。

次に、「本人と話す」こと。
「最近どうですか」という1on1の場を持ち、困っていることを話せる環境をつくる。問いただすのではなく、「何かあれば相談してほしい」というスタンスで関わることが大切です。

そして、「専門機関につなぐ」こと。
ギャンブル依存症の治療・回復支援は、専門機関でないと対応できません。「ギャンブル依存症問題を考える会」「依存症専門の医療機関」「自助グループ(GA)」など、本人が相談できる場所を情報提供することが会社にできる最大の支援です。


横領・不正が発覚したときの対応

もし実際にお金の問題が起きてしまった場合は、感情的に対応することは危険です。

事実確認を丁寧に行い、就業規則の懲戒規定に基づいて手続きを踏む。
「かわいそうだから」という感情だけで対応すると、他の社員への不公平感が生まれ、職場全体の信頼が崩れます。
一方で、「許さない」という感情だけで動くと、後で手続き上の問題が出てくることもあります。

就業規則に「横領・窃盗に関する懲戒規定」がきちんと整備されているかどうか、改めて確認してみてください。規定がなければ、懲戒処分を行っても無効になるリスクがあります。


早期発見のために——日常の対話が防波堤になる

ギャンブル依存症に限らず、社員の「生活の乱れ」は必ずどこかに兆候が出ます。

  • 急に服装や身なりが乱れ始めた
  • 残業を極端に嫌がるようになった(時間外の賃金を急いで受け取りたい)
  • 給料日直後なのにお金を借りてほしいと言ってくる
  • スマートフォンを業務中頻繁に操作するようになった

これらの変化を「見て見ぬふりをする」か「早期にキャッチして声をかける」かが、問題の大きさを決めます。

1on1・定期面談・日常の声かけ。これらは「管理」ではなく「関心を持つこと」です。
社員に関心を持っている職場は、問題が小さいうちに浮かび上がります。


よくある質問

Q. ギャンブル依存症を理由に解雇できますか?

A. 依存症そのものを理由とした解雇は原則として認められません。ただし、それに起因する横領・無断欠勤・業務命令違反などの具体的な行為に対しては、就業規則の懲戒規定に基づいた処分(出勤停止・降格・懲戒解雇)が可能です。重要なのは、「事実の記録」と「就業規則の整備」です。

Q. 社員が同僚からお金を借りていると聞きました。会社として何かできますか?

A. 直接介入する前に、まず事実確認が必要です。当事者双方から個別に話を聞き、貸借の事実と金額を確認してください。その上で、社内でのお金の貸し借りを禁止するルールが就業規則にあるかを確認し、なければ今後のために追加することを検討してください。また、本人には専門機関への相談を促すことも会社の誠意ある対応です。


まとめ

ギャンブル依存症は、誰の職場にも起き得る問題です。「うちは大丈夫」という確証はありません。

日頃から社員一人ひとりの変化に気づける対話の場をつくること、そして問題が起きたときに対応できる就業規則の仕組みを整えておくこと。その両輪が、会社と社員を守ります。

「これって違法?」「トラブルになる前に相談したい」——そのタイミングが一番大事です。
姫路の中小企業の現場を知る社労士が、一緒に整理します。

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