人材紹介会社に依存しすぎて“高コスト体質”になる中小企業の実態

人材紹介会社に依存しすぎて“高コスト体質”になる中小企業の実態

人手不足が続く中で、
「自力で採用するのは難しい」
「とりあえず紹介会社に頼むしかない」
そう考えて、人材紹介会社を使い続けている企業は少なくありません。

確かに、人材紹介は即効性があります。
しかし一方で、

気づかないうちに“高コスト体質”に陥っている

というケースも非常に多く見られます。


1. 人材紹介は「便利」だが「依存」すると危険

人材紹介会社を使うと、

  • 求人票を考えなくていい
  • 応募対応をしなくていい
  • ある程度、絞られた人が来る

というメリットがあります。

忙しい現場にとっては、
手間がかからない採用手段です。

ただし、これを「唯一の採用ルート」にしてしまうと、
構造的な問題が生まれます。


2. 紹介料は“一時的コスト”では終わらない

人材紹介の費用は、
年収の30%前後が相場です。

例えば、

  • 年収450万円 → 約135万円
  • 年収500万円 → 約150万円

1人採用するたびに、
これだけのコストが発生します。

さらに問題なのは、
毎回このコストが繰り返される点です。

・人が辞めたら、また紹介
・採用したい人が出たら、また紹介

この状態が続くと、
採用コストは固定費のように膨らんでいきます。


3. 紹介会社依存が定着率を下げる理由

紹介会社経由の採用は、
マッチ度が低くなりやすい傾向があります。

理由はシンプルで、
紹介会社のゴールは「入社だからです。

・社風との相性
・経営者との価値観
・現場のリアルな大変さ

こうした部分は、
どうしても深く共有されにくくなります。

結果として、

  • 思っていた仕事と違った
  • 会社の雰囲気が合わなかった

という理由で、
早期離職が起きやすくなります。

高い紹介料を払ったのに、定着しない
これは、最も避けたいパターンです。


4. 「紹介会社1本」は、採用力が育たない

紹介会社に頼り続けると、
社内に次のものが残りません。

  • 採用ノウハウ
  • 自社の魅力の言語化
  • 応募者対応の経験

つまり、

いつまで経っても「自分で採れない会社」のまま

になります。

環境が変わったり、
紹介会社の対応が悪くなった瞬間に、
採用が止まるリスクも高くなります。


5. 中長期で必要なのは「自社で選ばれる仕組み」

人材紹介を完全にやめる必要はありません。
ただし、

「紹介会社だけ」に依存する状態は、必ず見直すべき

です。

そこで重要になるのが、
オウンドメディアリクルーティングのような、
中長期の採用手法です。

これは、

  • 自社の考え方
  • 仕事のリアル
  • 大変な点も含めた実情

を継続的に発信し、
「合う人」に見つけてもらう採用です。


6. オウンドメディア型採用が定着につながる理由

オウンドメディア経由で応募してくる人は、
すでに

  • 会社の考え方を知っている
  • 良い点も厳しい点も理解している

状態で面接に来ます。

そのため、

  • ミスマッチが起きにくい
  • 入社後のギャップが少ない

という特徴があります。

即効性はありませんが、
定着しやすい人材が集まるという点では、
非常に合理的な手法です。


7. 採用は「短期」と「中長期」を分けて考える

採用を安定させるには、

  • 今すぐ人が必要なときの手段
  • 将来に向けた採用基盤づくり

を分けて考える必要があります。

人材紹介は、
短期の手段として割り切って使う。

一方で、

自社で選ばれる仕組みを作らなければ、採用コストは下がらない

という現実も受け止める必要があります。


まとめ:高コスト体質は「採用設計」で変えられる

人材紹介会社に依存しすぎると、

  • 採用コストが下がらない
  • 定着率が安定しない
  • 採用力が社内に残らない

という状態に陥りやすくなります。

これは、
経営努力が足りないからではなく、
採用の設計が短期視点に偏っているだけです。

紹介会社は「使いどころ」を見極める。
同時に、自社で人が集まる仕組みを育てる。

この両立ができて初めて、
採用はコストから投資へと変わります。

筆者プロフィール

泉 正道(Masamichi Izumi)
従業員100名以下の中小企業の伴走支援コンサルタント。C&Pいずみ社会保険労務士法人 代表。
採用定着士、特定社会保険労務士、生成AIアドバイザー。2025年現在、延べ100社以上の中小企業を支援。
採用・定着・労務に関する相談は累計2,000件超。

徹底的な伴走支援で、中小企業の採用定着を「仕組み化」する事を得意とする。
商工会、商工会議所、大手生命保険会社でのセミナー講師など、精力的に「事例」中心の情報発信をし続けている。

姫路播州採用定着研究所
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