ChatGPTで求人原稿を書いてみた——姫路の社労士が実際に試した結果と注意点

ChatGPTで求人原稿を書いてみた——姫路の社労士が実際に試した結果と注意点

2026年5月13日




「ChatGPTを使えば、求人原稿が5分で書けるらしい」
そんな話を耳にして、実際に試してみました。

結論から言うと、使い方次第で、かなり実用的なツールになります。
ただ、「そのまま出せる原稿が出てくる」と期待すると、少し違う。
今回は、実際に試した結果と、使う上での注意点を正直にお伝えします。

「生成AIって難しそう」という方にも、具体的なイメージを持ってもらえるよう書きました。
姫路の中小企業経営者が採用に生成AIを活かすためのヒントにしてください。


目次

  1. 実際に試したこと——どんな指示を出したか
  2. ChatGPTが出してきた求人原稿——率直な感想
  3. うまく使うための「指示の出し方」3つのコツ
  4. 生成AIを使う上での注意点——ここは人間がやること
  5. 結局、求人原稿に生成AIは使えるのか?
  6. よくある質問
  7. まとめ

実際に試したこと——どんな指示を出したか

まず、最もシンプルな指示で試してみました。

「中小製造業の一般事務の求人原稿を書いてください」

出てきたのは、それなりに整った文章でした。
ただ、読んでみるとどこの会社にも使えそうな、逆に言えばどこの会社でもない原稿でした。
「明るい職場環境」「チームワークを大切に」「未経験歓迎」——聞いたことがある言葉ばかり。

次に、情報を増やして再挑戦しました。

「姫路市の金属加工会社、従業員30名、創業40年。受発注管理と経理補助が主な業務。
年間残業12時間、有給消化率80%、育休取得実績あり。未経験でも3ヶ月の研修あり。
この条件でハローワーク向け求人原稿を書いてください」

今度は、かなり実用的な原稿が出てきました。
最初との差は歴然。与える情報の量と質が、出てくる原稿の精度を決めます。


ChatGPTが出してきた求人原稿——率直な感想

情報をしっかり渡した2回目の原稿、率直な感想をお伝えします。

良かった点:

  • 文章の構造が整っていて読みやすい
  • 渡した数字(残業時間・有給消化率)をちゃんと活かして書いてくれた
  • 「自分では当たり前と思っていた強み」を言語化してくれた
  • 複数のバリエーションを一度に出してくれる

気になった点:

  • 文体が少し硬い。実際の職場の雰囲気が出にくい
  • 「姫路らしさ」「この会社らしさ」は出てこない
  • 法的に問題のある表現(年齢制限など)を指摘してくれないことがある
  • そのまま出せるかというと、手直しは必要

総合すると、「ゼロから書く時間を大幅に短縮できる下書きツール」として優秀です。
完成品を出してくれるわけではないが、白紙に向かう心理的ハードルをなくしてくれます。


うまく使うための「指示の出し方」3つのコツ

試行錯誤して見えてきた、精度の高い求人原稿を引き出すコツです。

コツ① 「5W1H」で会社の情報を先に全部渡す

業種・規模・場所・仕事内容・労働条件・職場の特徴——これらを箇条書きで最初に渡します。
情報が多いほど、原稿の精度が上がります。
「短く書いてほしい」という指示は後でできます。まず情報を出し切ることが先決です。

コツ② 「誰に向けた求人か」を明確に伝える

「子育て中の主婦層向け」「第二新卒向け」「50代のベテラン向け」など、ターゲットを指定すると文章のトーンが変わります。
ターゲットを絞ることは、応募者を減らすのではなく、ミスマッチを減らすことにつながります。

コツ③ 「こういう表現は使わないでほしい」と制約を伝える

「アットホーム・やる気・頑張れる方という表現は使わないでください」
「具体的な数字を必ず入れてください」
こういった制約を加えると、ありきたりな原稿になりにくくなります。
自社のNGワードをあらかじめ決めておくと、毎回使い回せて便利です。


生成AIを使う上での注意点——ここは人間がやること

便利な反面、注意が必要なことがあります。
特に求人原稿においては、法的なチェックは人間がやらなければなりません。

  • 年齢・性別に関する表現——「若い方歓迎」「女性が活躍」などは、書き方によって違法になる可能性があります。ChatGPTは必ずしも指摘してくれません
  • 給与・残業に関する虚偽記載——AIは渡された情報をそのまま使います。内容の正確性は必ず確認してください
  • 「その会社らしさ」の最終仕上げ——社員のリアルな声や、経営者の思いは、AIには出せません。最後は必ず人の手で加えてください

AIが出した原稿を「そのまま出す」のは危険です。
AIは下書きを作る係、判断と仕上げは人間の仕事という役割分担が大切です。


結局、求人原稿に生成AIは使えるのか?

結論として、「使える。ただし、使い方を知っていれば」です。

採用担当がいない中小企業にとって、求人原稿を書く時間は決して軽くありません。
「何から書けばいいかわからない」「毎回同じような文章になる」という悩みを、生成AIは確実に解消してくれます。

一方で、「ボタンを押せば完成品が出てくる」という期待は持たないほうがいいです。
生成AIは優秀なアシスタントですが、自社のことを知っているのは、あなただけです。

まずは1回、試してみてください。
最初の一歩は「ChatGPTに自社の情報を箇条書きで貼り付けること」からです。


よくある質問

Q. ChatGPTを使うには費用がかかりますか?

A. 無料版でも基本的な求人原稿の下書きには十分使えます。より精度の高い出力が必要な場合は月額有料プラン(2026年5月時点で約3,000円前後)の利用も選択肢です。まずは無料版で試してみることをおすすめします。

Q. 生成AIが作った文章をそのままハローワークに提出しても問題ありませんか?

A. 著作権や提出自体に問題はありませんが、内容の正確性・法的適正のチェックは必ず人間が行ってください。特に年齢・性別・給与に関する記載は、労働関連法規に照らして確認が必要です。下書きとして活用し、最終確認は必ず行うようにしてください。


まとめ:生成AIは「書く時間」を減らし、「考える時間」を増やすツール

今回の試みで改めてわかったことがあります。
生成AIが得意なのは、「構成を作ること」「言語化を手伝うこと」「複数案を出すこと」です。
苦手なのは、「その会社にしかない空気感を出すこと」「法的な正確性を担保すること」です。

この特性を理解した上で使えば、求人原稿にかかる時間を半分以下にすることも十分可能です。
浮いた時間で、応募者との面接や社員との対話に使ってほしいと思います。

「AIって結局何から始めればいい?」——その答え、一緒に見つけましょう。
姫路の中小企業の現場に合った生成AI活用を支援します。

筆者プロフィール

泉 正道(いずみまさみち)|特定社会保険労務士/採用定着士/生成AIアドバイザー

姫路を拠点に中小企業延べ150社以上へ伴走。採用・定着・労務の相談累計3,000件超(2026年6月現在)。北は福島、南は佐賀まで顧問先があり、全国オンライン対応。

「採用より定着が先」——これが口癖であり、信念。耳が痛くても言い続ける。親に与えてもらった環境や収入を「全て自分の力」と誤解する2代目社長に説教して解約された経験あり。それでも伝え続けるのが私の役目。

支援の軸は制度(ハード)と対話(ソフト)の両輪。就業規則や評価制度を整えるだけでも、研修や面談を繰り返すだけでも、人の問題は解決しない。両方が噛み合って初めて、人が辞めない組織が動き出す。伴走とダメ出しができる社労士。

生成AI支援では「研修を受けた企業の9割が1ヶ月後に何もしていない」という現実に向き合い、経営者のPCを直接触り、当日に課題を解決する「実装型」の伴走を展開。商工会・商工会議所・大手生命保険会社でのセミナー講師としても精力的に活動中。