入社3ヶ月で辞める若手を引き止めた、姫路の中小企業が実践したオンボーディングの工夫

入社3ヶ月で辞める若手を引き止めた、姫路の中小企業が実践したオンボーディングの工夫




「せっかく採用したのに、3ヶ月で辞めてしまった」
この経験、一度でもある経営者は多いと思います。

採用にかかったコストは、1人あたり数十万円。
そこに研修の時間、先輩社員の工数を加えると、損失はさらに大きくなります。
何より、残った社員への負担と、採用への疲弊感が積み重なっていきます。

ただ、早期離職は「その人が合わなかった」だけが原因ではありません。
入社後の迎え方、関わり方——つまり「オンボーディング」によって、定着率は大きく変わります。

今回は、実際に姫路の中小企業が実践して効果が出たオンボーディングの工夫をお伝えします。
お金をかけずに、今日から変えられるものを選びました。


目次

  1. なぜ「入社3ヶ月以内」が最も離職しやすいのか
  2. 工夫① 入社初日に「不安を取り除く」時間をつくる
  3. 工夫② 「1on1」を週1回、15分だけやる
  4. 工夫③ 「最初の小さな成功体験」を意図的に設計する
  5. 工夫④ 「困ったときに誰に言えばいいか」を最初に伝える
  6. ハード(仕組み)を活かすのはソフト(人の関わり)——傾聴・承認・コーチングの実践
  7. よくある質問
  8. まとめ

なぜ「入社3ヶ月以内」が最も離職しやすいのか

入社直後の社員が感じていることを、一言で表すと「孤独」です。

職場の雰囲気がわからない。
誰に何を聞けばいいかわからない。
自分はちゃんとやれているのか、フィードバックがない。
「こんなはずじゃなかった」という小さな違和感が積み重なっていく。

離職した若手社員へのヒアリングでよく出てくる言葉は、「仕事が嫌だったわけじゃない」です。
辞める理由の多くは「人間関係の不安」「孤立感」「見通しが持てない不安」です。
給料や仕事内容ではなく、「この会社にいていいのかどうかわからない」という感覚が限界に達したとき、人は辞めます。

だとすれば、対策はシンプルです。
孤独にさせなければいい。
見通しを持たせればいい。


工夫① 入社初日に「不安を取り除く」時間をつくる

入社初日は、多くの会社で「書類の記入」「職場の案内」「業務説明」で終わります。
もう1つ加えてほしいのが、「この会社での最初の3ヶ月に何を期待しているか」を伝える時間です。

具体的にはこんな内容を伝えます。

  • 最初の1ヶ月は「覚えること」だけに集中してください。ミスを気にしなくていい
  • 2ヶ月目から、少しずつ一人でできることを増やしていきましょう
  • 3ヶ月後に、一緒に振り返りをします
  • 困ったことや不安なことは、いつでも〇〇さん(担当者の名前)に言ってください

「最初はできなくていい」と言われた新人が感じるのは、安心感です。
「見通しがある」「失敗しても大丈夫」と思える職場は、離職率が下がります。

姫路の建設会社でこれを実践したところ、「3ヶ月後の定着率」が半年で明らかに上がりました。
やったことは、初日に15分話しただけです。


工夫② 「1on1」を週1回、15分だけやる

「1on1」というと、大企業の制度のように聞こえますが、やることはシンプルです。
上司か先輩が、新入社員と週1回・15分、1対1で話すだけです。

話す内容のテンプレートはこの3つで十分です。

  • 「今週、何か困ったことはありましたか?」
  • 「最近、仕事でよかったと思ったことはありますか?」
  • 「来週、何か試してみたいことはありますか?」

重要なのは、評価や指導の場にしないことです。
「あなたのことを気にかけている」というメッセージを週1回届けることが目的です。

若手社員が早期離職を決意するのは、たいてい「誰にも相談できない」と感じた瞬間です。
週1回の15分が、その「手前」で問題を拾い上げるセーフティネットになります。

「そんな時間はない」という声も聞きます。
でも、辞められてから再採用にかかる時間と費用を考えると、週15分は圧倒的にコスパが良い投資です。


工夫③ 「最初の小さな成功体験」を意図的に設計する

人は「できた」という体験を積むと、仕事が好きになっていきます。
逆に、「何もできない」「うまくいかない」が続くと、自信をなくして離職につながります。

入社1ヶ月以内に、「これは自分がやった」と言える仕事を1つ経験させることを意識してみてください。

難しいことである必要はありません。
「あの棚の整理、完璧にやってくれてありがとう」「この書類処理、ミスゼロだったね」——そのレベルでいいんです。
褒める側が意識的にそこを探して、言葉にすることがポイントです。

「ほめて育てる」というと過保護に聞こえますが、そうではありません。
事実に基づいた承認を伝えることは、社員の自己効力感を育て、定着につながります。


工夫④ 「困ったときに誰に言えばいいか」を最初に伝える

離職した社員のほとんどは、「辞める前に相談しなかった」と言います。
なぜ相談しなかったかというと、「誰に言えばいいかわからなかった」からです。

「何かあれば気軽に相談して」は、抽象的すぎて機能しません。
「仕事のことは〇〇さん、職場の人間関係で悩んだときは〇〇さん、プライベートに関わることは〇〇まで」と、具体的に担当者を決めることが重要です。

特に、直属の上司以外にも相談できる人を1人決めておくことをおすすめします。
上司に言いにくいことを、別の人に話せる出口があるだけで、孤立感はかなり変わります。

コストゼロ、今日から実践できる工夫です。


ハード(仕組み)を活かすのはソフト(人の関わり)——傾聴・承認・コーチングの実践

ここまで紹介した4つの工夫は、すべて「仕組み(ハード)」の話です。
1on1を週1回やる、担当者を決める、初日に15分話す——どれも大切な制度・ルールです。
ただ、仕組みを入れるだけでは、定着は半分しか解決しません。
仕組みを活かすのは、それを運用する「人(ソフト)」だからです。

「聴く」——話を遮らず、最後まで受け取る

1on1の場で、上司が「それは〇〇だから問題ない」「自分の若い頃はもっと大変だった」と返してしまっては逆効果です。
傾聴とは、相手の言葉を評価・判断せずに受け取ること。
「そうか、それは大変だったね」「もう少し聞かせてもらえる?」——この一言が、新入社員に「ここは話せる場所だ」と感じさせます。
話す内容より、聴く姿勢のほうが伝わる、というのが現場の実感です。

「承認する」——評価ではなく、存在を認める

「承認」は、「褒める」とは少し違います。
褒めるのは結果に対するフィードバック。承認は、「あなたがいることに気づいている」というメッセージです。
「今日来てたね」「この前の件、気にかけてたよ」「よく覚えておいてくれたね」——小さな一言が、孤独感を解消します。
新入社員が最初に感じる不安のほとんどは、「自分はここにいていいのか」という承認欲求です。

「褒める」——事実に基づいて、具体的に

「よく頑張ったね」「さすがだね」という抽象的な褒め言葉は、実は相手に届きにくいです。
「あの書類整理、ミスゼロで完璧だった」「お客さんへの対応、自分で考えて動いてたね」——事実に基づいた具体的な言葉こそが、自己効力感を育てます。
「褒め上手」は才能ではありません。「見ていること」と「言葉にすること」の習慣です。

「問いかける」——コーチング的な関わりのすすめ

「こうしなさい」「それは違う」という指示・否定は、短期的には機能しますが、長期的には依存と萎縮を生みます。
代わりに試してほしいのが、「あなたはどう思う?」「どうすればよかったと思う?」という問いかけです。
答えを渡すのではなく、考えを引き出す。これがコーチング的な関わりです。
答えを自分で見つけた人は、次も自分で考えようとします。それが自立につながります。

仕組みを作るのは会社の仕事。
仕組みを「人が使えるもの」にするのは、上司・先輩の関わり方次第です。
ハードとソフトの両方が揃って初めて、定着する職場になります。


よくある質問

Q. 1on1をやりたいが、何を話せばいいかわからない上司がいます。どうすれば?

A. まずはテンプレートを渡すことをおすすめします。「今週困ったことは?」「よかったことは?」「来週試したいことは?」の3問だけでOKです。上司が「何を話せばいいかわからない」という状態は、部下も同様に感じています。テンプレートは上司の心理的ハードルも下げてくれます。

Q. オンボーディングを整えても、そもそも採用した人が職場に合わない場合はどうすればいいですか?

A. オンボーディングには、「合わない人を早期に発見する」機能もあります。週1回の1on1でコミュニケーションを取っていると、採用ミスマッチに早い段階で気づけます。「3ヶ月の試用期間で確認する」という会社側の設計と合わせると、双方にとって健全な関係が作りやすくなります。


まとめ:採用より「定着」に投資する時代へ

今回紹介した内容を整理します。

【ハード面——仕組みとして整える】

  • 入社初日に「最初の3ヶ月の見通し」を伝える
  • 週1回・15分の1on1を続ける
  • 最初の1ヶ月で「小さな成功体験」を設計する
  • 「困ったときに誰に言えばいいか」を名指しで伝える

【ソフト面——人の関わりとして育てる】

  • 傾聴——評価・判断せず、最後まで受け取る
  • 承認——「あなたのことを見ている」を言葉と態度で示す
  • 承認(褒める)——事実に基づいた具体的なフィードバックを届ける
  • 問いかける——答えを渡すのではなく、考えを引き出す

ハードがあっても、ソフトがなければ制度は「形だけ」になります。
仕組みを作り、人が使いこなす——この両輪が揃って初めて、定着する職場になります。

採用し続けるより、定着させる方が圧倒的にコストが低い。
今の人手不足の時代に、これは経営の優先課題のひとつです。

「また辞めた」「応募が来ない」——その悩み、仕組みで解決できます。
姫路の中小企業の採用定着を、一緒に仕組み化しましょう。

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