あなたの面接、いい人を逃がしていませんか?採用担当者が知らない面接の落とし穴|姫路の採用定着士が解説

あなたの面接、いい人を逃がしていませんか?採用担当者が知らない面接の落とし穴|姫路の採用定着士が解説



せっかく面接まで来てくれたのに、なぜか断られる。内定を出しても辞退される。応募はあるのに採用につながらない——こんな状況に心当たりはないでしょうか。

原因のひとつが、面接そのものにある可能性があります。

面接は「人を選ぶ場」であると同時に、「会社を選んでもらう場」でもあります。この認識が抜けていると、面接で候補者の気持ちが離れてしまいます。

姫路の採用定着士として100社以上の採用支援をしてきた経験から、中小企業の面接で起きがちな「落とし穴」と、改善のポイントをお伝えします。


目次

  1. 採用担当者が気づいていない「面接のズレ」
  2. 候補者は面接中に何を感じているか
  3. 面接でやりがちな3つの失敗
  4. 「選ばれる面接」に変えるための考え方
  5. ハードとソフト、両面から面接を設計する
  6. よくある質問
  7. まとめ

採用担当者が気づいていない「面接のズレ」

中小企業の採用現場でよく見かける面接のスタイルがあります。

履歴書を手元に、「なぜうちを選んだのですか?」「前職ではどんな仕事をしていましたか?」「自己PRをしてください」——こうした定番の質問を順番に聞いていく形式です。

これ自体は間違いではありません。しかし、面接が「会社側が候補者を審査する場」になりきってしまっているとき、候補者はどう感じているでしょうか。

「尋問みたいだった」「質問に答えるだけで終わった」「この会社のことが全然わからなかった」——面接後にこう感じた候補者は、内定をもらっても辞退する可能性が高くなります。

面接は採用の重要な接点です。ここで候補者に「この会社で働きたい」と思ってもらえるかどうか、その設計が採用結果を左右します。


候補者は面接中に何を感じているか

転職活動中の候補者が面接に来るとき、頭の中にはこんな思いがあります。

  • 「この会社は本当に自分に合っているか」
  • 「社長(上司)はどんな人なんだろう」
  • 「実際の職場の雰囲気はどうなんだろう」
  • 「入社して活躍できるイメージが持てるか」

候補者は面接を「審査される場」としてだけでなく、「会社を見極める場」としても使っています。

そのため、面接で会社側からの一方的な質問だけが続き、候補者の疑問や不安に応える時間がなかった場合——候補者は面接を終えても「この会社で働くイメージ」が持てません。

内定を出した後に辞退される場合、その原因の多くは「面接でイメージが膨らまなかった」ことにあります。


面接でやりがちな3つの失敗

① 会社の説明をしない

「候補者が会社のことを調べてくるのは当然」と思って、面接中に会社の説明をほとんどしないケースがあります。しかし候補者が調べられる情報には限りがあります。「実際のところどうなのか」を面接で聞かせてもらえると期待している候補者は多いのです。

② 候補者の質問時間を取らない

面接の終わりに「何か質問はありますか?」と聞くだけで、実質的な質問時間がほとんどないケースがあります。候補者は「聞きたいことが聞けなかった」という消化不良感を抱えたまま帰ることになります。

③ 雰囲気が硬すぎる

緊張した雰囲気の中で行われる面接では、候補者も自然体を見せられません。「職場の雰囲気が伝わらなかった」という印象を与えてしまいます。候補者に本来の姿を見せてもらうためにも、面接の雰囲気を和らげる工夫が必要です。


「選ばれる面接」に変えるための考え方

面接を「審査の場」から「お互いを知る場」に変えることが、改善の第一歩です。

具体的には、面接の時間の使い方を変えます。

  • 会社・仕事の説明に時間を使う:求人票に書けなかったこと、職場の雰囲気、一緒に働くメンバーのこと、求める人物像の背景などを、自分の言葉で伝える
  • 候補者の話をしっかり聞く:質問への回答だけでなく、候補者が何を大切にしているか、何を不安に感じているかを引き出す
  • 候補者の疑問に答える時間を作る:「気になることは何でも聞いてください」という姿勢を明示し、候補者が抱える不安を面接中に解消する

面接が終わったとき、候補者が「この会社のことがよくわかった」「ここで働くイメージが持てた」と感じれば、内定辞退は大幅に減ります。


ハードとソフト、両面から面接を設計する

面接の質を高めるには、仕組み(ハード)と姿勢・コミュニケーション(ソフト)の両面から整えることが必要です。

ハード面(面接の仕組みを整える)

  • 面接の流れをあらかじめ設計する(アイスブレイク→会社説明→質疑応答→候補者からの質問)
  • 聞くべき質問をあらかじめ決めておく(毎回バラバラにしない)
  • 評価基準を明確にしておく(感覚ではなく基準で判断する)
  • 複数人で面接する場合の役割分担を決める

ソフト面(候補者との向き合い方)

  • 最初の数分で緊張をほぐす(雑談・共感・笑顔)
  • 候補者の話を「聞く」姿勢を意識する(評価するより、理解しようとする)
  • 候補者の不安・疑問に正直に答える(デメリットも含めて)
  • 「一緒に働きたい」という気持ちを言葉にして伝える

仕組みだけ整えても、面接官の姿勢が高圧的では候補者は心を開きません。ソフト面の改善が、面接の印象を大きく変えます。


よくある質問

Q. 面接でデメリットも伝えた方がいいのでしょうか?

A. 伝えることをお勧めします。「残業が多い時期がある」「まだ整備できていない部分がある」——こうしたことを正直に伝えることで、候補者はかえって信頼感を持ちます。入社後に「聞いていなかった」というギャップが生じると、早期退職につながります。面接での正直な情報共有が、入社後の定着につながります。

Q. 面接を複数回やる必要はありますか?

A. 中小企業の場合、1〜2回が一般的です。ただし回数より「中身」の方が重要です。1回の面接でも、会社説明・候補者理解・不安解消がしっかりできれば十分です。回数を増やしても、毎回同じ質問をするだけでは意味がありません。


まとめ

面接は「人を審査する場」だけではありません。候補者が「この会社で働きたい」と感じるかどうかを決める、採用の重要な接点です。

面接の設計を少し変えるだけで、内定辞退が減り、採用の質が上がります。「面接のやり方を一緒に見直したい」という方は、ぜひ当社にご相談ください。

筆者プロフィール

泉 正道(いずみまさみち)|特定社会保険労務士/採用定着士/生成AIアドバイザー

姫路を拠点に中小企業延べ150社以上へ伴走。採用・定着・労務の相談累計3,000件超(2026年6月現在)。北は福島、南は佐賀まで顧問先があり、全国オンライン対応。

「採用より定着が先」——これが口癖であり、信念。耳が痛くても言い続ける。親に与えてもらった環境や収入を「全て自分の力」と誤解する2代目社長に説教して解約された経験あり。それでも伝え続けるのが私の役目。

支援の軸は制度(ハード)と対話(ソフト)の両輪。就業規則や評価制度を整えるだけでも、研修や面談を繰り返すだけでも、人の問題は解決しない。両方が噛み合って初めて、人が辞めない組織が動き出す。伴走とダメ出しができる社労士。

生成AI支援では「研修を受けた企業の9割が1ヶ月後に何もしていない」という現実に向き合い、経営者のPCを直接触り、当日に課題を解決する「実装型」の伴走を展開。商工会・商工会議所・大手生命保険会社でのセミナー講師としても精力的に活動中。