姫路の中小企業向け——就業規則セルフチェックリスト25項目

姫路の中小企業向け——就業規則セルフチェックリスト25項目




「就業規則はある。でも最後に見直したのはいつだろう…」

中小企業の就業規則あるあるです。作ったきり10年放置、ひな形をほぼそのまま使っている、法改正に対応できていない——これでは「あるだけ」で機能していない状態です。

就業規則は、労務トラブルを防ぐ最強の盾です。整備されていれば経営者を守り、整備されていなければ経営者を攻撃する武器になります。

今回は、社労士として多くの就業規則を見てきた経験から、中小企業が特に見落としがちな25項目のセルフチェックリストをお伝えします。


目次

  1. 就業規則セルフチェックリスト25項目
  2. 特に見落とされやすい5項目の解説
  3. 就業規則の「形」だけ整えても意味がない理由
  4. よくある質問
  5. まとめ

就業規則セルフチェックリスト25項目

以下の25項目について、自社の就業規則を確認してみてください。「✓できている」「△不安」「✗できていない・不明」で仕分けすると問題箇所が見えてきます。

【基本定義・適用範囲】

  • ① 労働者の定義(正社員・パート・契約社員・嘱託等)が明確で、各雇用区分の処遇差が明記されているか
  • ② 就業規則の適用範囲(誰に適用されるか)が明示されているか
  • ③ パート・有期社員向けの別規程または特例条項が整備されているか

【採用・入社】

  • ④ 採用時の提出書類・誓約事項が明記されているか
  • ⑤ 試用期間の長さ・延長可否・試用期間中の解雇要件が明確か
  • ⑥ 個人情報の取り扱いに関する条項があるか

【労働時間・休憩・休日】

  • ⑦ 所定労働時間・休憩時間・所定休日が法定基準(週40時間以内等)を満たしているか
  • ⑧ 変形労働時間制を採用している場合、要件(労使協定・周知等)が整っているか
  • ⑨ 時間外・休日労働の命令根拠(36協定の締結・届出)が明記されているか
  • ⑩ 深夜労働・休日労働の割増賃金率が法定通り(深夜25%以上・休日35%以上)定められているか

【休暇・休業】

  • ⑪ 年次有給休暇の付与日数・申請手続きが法定基準以上で明記されているか
  • ⑫ 年5日の有給休暇取得義務への対応(時季指定権)が盛り込まれているか
  • ⑬ 産前産後休業・育児休業・介護休業について最新法令に対応しているか
  • ⑭ 慶弔休暇・病気休暇等の特別休暇の条件・日数が明記されているか

【賃金・給与計算】

  • ⑮ 基本給・各種手当の定義と支給条件が具体的に書かれているか
  • ⑯ 固定残業代(みなし残業)を設定している場合、時間数・金額・超過時の追加支払いが明記されているか
  • ⑰ 昇給・降給の条件と手続きが明記されているか
  • ⑱ 欠勤・遅刻・早退の賃金控除計算方法が明確か

【服務規律・ハラスメント】

  • ⑲ 服務規律(禁止行為・遵守事項)が具体的に列挙されているか
  • ⑳ ハラスメント(パワハラ・セクハラ・マタハラ等)の定義・禁止・相談窓口が明記されているか
  • ㉑ SNS・情報セキュリティに関するルールが時代に合った形で記載されているか
  • ㉒ 副業・兼業の可否と条件が明確か(2024年以降は「原則禁止」では通用しない)

【懲戒・退職・解雇】

  • ㉓ 懲戒の種類(口頭注意・戒告・減給・出勤停止・懲戒解雇等)とその事由が具体的に明記されているか
  • ㉔ 普通解雇・懲戒解雇・整理解雇それぞれの要件と手続きが区別して記載されているか
  • ㉕ 有期雇用契約の更新基準・雇止めの手続きが明記されているか(雇止めトラブル防止)

特に見落とされやすい5項目の解説

⑫ 年5日の有給休暇取得義務(2019年4月〜)

年10日以上の有給休暇が付与される従業員に対し、年5日は会社が時季を指定して取得させる義務があります。これを就業規則に盛り込んでいない会社がまだ多い。対応していない場合は違法状態です。

⑯ 固定残業代の明記

「残業代込みの月給制」は、就業規則・雇用契約書に「何時間分・いくら」と明記しないと無効とされるリスクがあります。「みなし残業」という言葉だけ書いても意味がありません。時間数と金額の両方が必要です。

⑳ ハラスメントの定義と相談窓口

2022年4月からパワーハラスメント防止措置が中小企業にも義務化されました。就業規則にパワハラの定義・禁止規定・相談窓口が盛り込まれていなければ、法違反です。古い就業規則には、この条項がないことが多い。

㉒ 副業・兼業ルール

厚生労働省は副業・兼業を推進する方針を打ち出しており、「原則禁止」という規定は現在の行政指導方針と合いません。禁止する場合は具体的な理由(守秘義務・競業避止等)を明記した上で禁止規定を設けることが求められます。

㉕ 有期雇用の更新基準

更新するかどうかの基準が書かれていないと、「更新されると思っていた」という期待権が生じやすくなります。更新基準(業務量・勤務態度・会社の業績等)を就業規則に明記しておくことが、雇止めトラブルの最大の予防策です。


就業規則の「形」だけ整えても意味がない理由

就業規則を整備したとしても、現場で守られていなければ意味がありません

「就業規則には書いてあるけど、実際は違うやり方をしている」という会社は非常に多い。これは就業規則を整備する以前の問題です。

就業規則は「あるだけ」では機能しません。大切なのは:

  • 従業員に周知されていること(閲覧できる場所に置く、入社時に渡す等)
  • 実態と規則が一致していること
  • 法改正に合わせて定期的に見直されていること

就業規則は「ルールブック」であり「文化の言語化」でもあります。経営者が大切にしていることが、就業規則に反映されているかどうかが、最終的には組織の質に影響します。


よくある質問

Q. 従業員が10人未満でも就業規則は必要ですか?

A. 常時10人未満の事業場は労働基準監督署への届出義務はありませんが、就業規則を作ることは強くお勧めします。トラブルが起きたとき、労働条件の根拠となる書類がなければ、経営者は圧倒的に不利な立場になります。小さい会社ほど、就業規則が経営者を守ります。

Q. ネットの就業規則テンプレートをそのまま使っても問題ないですか?

A. 問題があります。テンプレートは古い法令に対応していないことが多く、自社の実態(業種・雇用形態・シフト制等)に合っていないことがほとんどです。テンプレートをベースにするのはよいですが、自社の実態に合わせてカスタマイズし、専門家に確認してもらうことをお勧めします。


まとめ

今回の25項目、いくつ「✓できている」でしたか?

10個以上に「△不安」「✗できていない」がついた場合、今の就業規則は機能していない可能性が高い。労務トラブルが起きる前に、今すぐ見直すことをお勧めします。

就業規則は「トラブルが起きてから作るもの」ではありません。「トラブルを起こさないために作るもの」です。備えてある会社と備えていない会社では、同じトラブルが起きたときの結末がまったく違います。

「これって違法?」「トラブルになる前に相談したい」——そのタイミングが一番大事です。
姫路の中小企業の現場を知る社労士が、一緒に整理します。

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